石川県「牛首紬」の歴史
2015年09月04日
玉繭が織りなす牛首紬
牛首紬は、石川県を産地とする丈夫な紬。
別名”釘抜紬”とも呼ばれますが、これは生地が釘を抜けるほどに強いものだからとされています。
牛首紬の発祥地である石川県は豪雪地域。冬の間は何メートルも雪が積もり、固く閉ざされてしまいます。
雪の降る冬の間は農作業が出来ないので、かつての石川県の人々はその期間に蚕を買って糸を紡ぐようになりました。
農作業が出来ないほどに積もってしまう雪ですが、決してデメリットだけではなくメリットもありました。
蚕の餌である桑の木は、雪が積もる地域では重みで曲がって育ち、葉を収穫しやすい高さに育つのです。
そのため、古くから石川県では蚕の産業が盛んでした。
上質な繭は出荷し、残った繭を利用するために考案されたのが牛首紬。
残ったくず繭の中には、玉繭と呼ばれる種類の繭があります。
通常蚕1匹で1つの繭を手掛けるものですが、玉繭は2匹の蚕が共同で作った繭。
その玉繭を使い作られたのが、「牛首紬」となります。
玉繭は糸が複雑に絡み合った繭のため、糸にするのは非常に難しいのです。
しかし熟練の技を持った職人であれば製糸を施すことが可能。牛首紬はこの玉繭の糸を横糸、通常の絹糸を縦糸として製作されています。
牛首紬の特徴は、玉繭の糸の絡まりによって、所々に節が出来ていること。
もうひとつの特徴は、大島紬や結城紬などの他の紬と異なり、後染めの着物も存在すること。
紬の殆どは先染めにて製作されていますので、珍しい種類となりますね。
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