「紬」という着物の定義とは?

「紬」という着物の定義とは?

2017年07月13日

着物買取

紬は着物の仲間です

着物ってむずかしい

紬について説明する前に、ちょっと前置き失礼します。

多くの方が「着物」と呼ぶ衣類についてですが、着物の種類を細分化すると「振袖」「留袖」「友禅」「小紋」「単衣」「アンティーク着物」など、まぁ種類が色々と定義されています。
多くの方がふんわり「着物」と呼んでいる衣類はこんな感じに【本当の名称】的なものがあるという事です。
そして、タイトルにもある「紬」ですが、これも着物である事は間違いありませんが、厳密には「紬」と呼ばれる種類という事です。イメージしづらいかと思いますが、「着物の一種である振袖」「着物の一種である紬」といった感じで認識してもらえるとイメージがしやすいかと思います


「紬・友禅・訪問着・作家物・アンティーク着物」という謎コンボ

ちょっとだけ・・・もうちょっとだけ前置きに付き合ってください。
今回紬について紹介しようときっかけですが、着物について調べているとタイトルの様な「大島紬で加賀友禅で訪問着」といった複数の着物がまとめられているものを目にすることがあるかと思います。

過去に私が着物について調べていた時にこのような謎の着物コンボを目の当たりにし、「紬であり友禅でもあり訪問着でもあるってどういうことだ!?」と非常に頭を悩ませた経緯があったことを思い出したのでこの度「紬」について説明しようと思った次第です。

紬について紹介します!

紬とは着物の種類の一種なのですが、厳密な定義でいうと「糸の段階で既に染められている着物」です。
着物は「糸→反物→振袖」のような工程でつくられますが、この最初の段階である糸の状態から染められた糸を用いて作られた着物が紬と呼ばれます。(糸の段階から泥等で染められているので、完成した紬の着物は硬さがあるのが特徴ですね。)
つまり、極端な話ですが染められた糸を使用してさえいればどのような形状・技法を用いた着物であっても「紬」と呼べるのです。

この紬の定義を用いて、先ほど例に挙げた「大島紬で加賀友禅で訪問着」という頭痛の着物3連コンボが成立する理由を説明します。

「大島紬で加賀友禅で訪問着」を分解すると「紬」かつ「友禅」かつ「訪問着」という事です。それを踏まえて以下のご覧ください

「紬」・・・染められた糸を使用する
「友禅」・・・友禅染という技法を用いた着物を指す
「訪問着」・・・特定の絵付け・形状によって決まる

上記3種類の特徴に関していうと、全て一つの着物で共存する事が可能であり、共存した着物は「大島紬で加賀友禅で訪問着」と呼ばれるのです。
ちなみに、オークションの出品状況などを見てみると、「大島紬・本加賀友禅・有名作家作・訪問着・アンティーク着物」といったまさに呪文のような着物も存在しますが、これらの定義も共存が可能な為こんなにも長く呼べるのです。

着物についていろいろと調べたりしていますが・・・・着物の調査は美しく楽しいですがやっぱり難しいですね♪

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