辻が花の絞り染め
2015年08月11日
前回の記事では、少し「辻が花」について執筆しました。
今回は辻が花の絞り染めについて記事にしていきます。
絞り染めとは
(引用:Onlineきもの見本市「桐屋謹製 辻が花訪問着」)
前述したように、辻が花のベースは花柄ではなく、あくまでも絞り染め。
絞り染めとは奈良の時代から続く伝統的な染めの手法で、布を糸でくくったり板で挟んだりして
その部分に染料がつくのを防ぎ、模様とする方法です。
洋服などであれば、タイダイ染めと呼ばれることもあります。
絞り染め(タイダイ染め)は、昔のインドやアフリカでも広く行われていました。
日本では法隆寺、そして正倉院にある布に絞り染めのものが見られたそう。
歴史でみる辻が花の模様
(引用:Onlineきもの見本市「桐屋謹製 辻が花訪問着」)辻が花に用いられる模様の種類は、歴史ごとに大きく分けると4種類。
まずは室町時代の前半。
この時代は絞り染めのみだったようで、華美な装飾は施されていなかっただろうとの説があります。
確認しようにも現存するものがないので、あくまでも憶測となるようです。
次は室町時代の後半になります。
ここでようやく絞り染めをベースとし、装飾が施されるようになりました。
前述したように描き絵や刺繍そして摺り箔で彩られたようですが、まだ今のような複雑な図柄ではなかったそう。
そして桃山時代から江戸時代にかけて、辻が花にも変化が訪れます。
時代背景も相まって、絞りもはっきりと主張したものになり、華麗で豪華な装飾が施されるようになりました。
現在作られている辻が花模様のイメージに最も近いものかも知れません。
男性用の着物であっても、まるで女性用のように華やかだったようですよ。
そして江戸時代の中期、もはやメインは描き絵や刺繍などの装飾に打って変わったようで、
染めはあくまでも補助的な役割となってしまいました。
「絞り染め」が基調の辻が花とはもはや呼べず、他種の着物にほど近いものとなったようです。
参考サイト
- 染め
- 辻が花