考案は12歳の少女、久留米絣
2015年08月21日
久留米絣は、福岡県の久留米市で製作される絣。その佇まいと着心地から、かの有名な太宰治も愛用した着物です。
備後紬、伊予紬とともに三大絣と呼ばれており、伝統工芸にも登録されています。
久留米絣の製作方法
久留米紬は藍染を主体とする綿の着物。
あらかじめ白と藍色に分けた糸を用意してきつく縛り、その部分に染料が染み込まないようにして染色されます。
この際にしっかりと縛らないと柄がぼやけたものとなってしまいますし、
かといって解きにくくなる程にきつく縛ると、今度は染め終わったときに紐が解けず苦戦することとなります。
こうして作り出される模様は非常に繊細で精巧なものです。
久留米絣の製作に要する期間は、なんと3か月。30個もの様々な工程を終え、やっと完成となるのです。
久留米絣の製作技法は1957年、重要無形文化遺産に登録され、1976年に伝統工芸品に指定されました。
この久留米絣を考案したのは、なんと12歳の幼い少女。
江戸時代の終わりごろ、井上伝という少女が考え出しました。
久留米藩の推奨もあり、産業として発展した久留米絣。
ピーク時には一年に200から300着ほど手掛けていたようですが、洋服の登場に伴い次第に姿を消しました。
洋服文化の定着も勿論ですが、久留米絣を手掛ける職人の減少で希少価値が高まっています。
普段着として着用される絣には、素朴で愛らしいデザインが多々見られます。
現代風にアレンジされた柄もあり、現在は着物の他にもシャツなどにも多用される染色方法です。
久留米絣の生産は現在は少数となってしまいましたが、その高いデザイン性が評価され洋服や靴などにも取り入れられるようになりました。
久留米絣も高価買取対象となる着物です
久留米絣は綿の着物ですので、買取店によっては買取対象外となっていることも。
正絹以外の着物は買取対象外となっている着物買取店も多いので、注意が必要です。
しかし久留米絣は伝統と歴史のある、立派な着物。
正絹以外の着物ではありますが、例外として高価買取してくれる買取店も多いです。
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