秦荘紬(川口織物)とは

秦荘紬(川口織物)とは

2015年11月17日

着物はてな

滋賀の伝統、近江上布と”秦荘紬”


秦荘紬とは、滋賀県発祥の紬。滋賀といえば近江上布ですが、その地である秦荘町で製作された紬です。
近江上布の原料は麻ですが、秦荘紬は絹から製作された紬となります。
滋賀では絹織物の生産も行われており、養蚕で採れた質の良い繭は売り、余りの繭で着物を製作し、くず繭は真綿へと変えて着物を紡いでいました。
農家の女性が嫁入り支度をする際に、自分自身で機織りをし、着物の準備をしたのが秦荘紬のルーツであるといわれています。

tumugi (引用:楽天市場「滋賀県指定伝統的工芸品 九寸なごや帯 秦荘紬」)

かつてより存在した近江上布の麻織物の技術を紬に取り入れた着物で、滋賀県の伝統工芸の指定を受けている着物です。
秦荘紬、そして近江上布にみられる独特な技法となるのが、「櫛押し捺染」。
櫛の背中の丸くなった部分に墨をつけて絣を押したのがはじまりといわれており、模様の組み合わせにより沢山のバリエーションが生まれます。
秦荘紬は始めは糊付けによりハリのある生地となっていますが、着用するにつれ柔らかく、肌馴染み良い着物となりますね。

tumugi2 (引用:楽天市場「滋賀県指定伝統的工芸品 九寸なごや帯 秦荘紬」)

現在の秦荘紬は、経糸に座繰り糸を用い、緯糸には真綿の糸を使用し化学染料にて染色を施したもの、そして経糸と緯糸ともに真綿の手紡ぎ糸を使用して自然染料である草木染を施したものと、2つに大別することが出来ます。


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