多摩織の着物の価値は?

多摩織の着物の価値は?

2015年11月14日

着物はてな

東京が産地の絹織物、多摩織


多摩織りの着物の産地は、東京。
東京の着物といえばやはり黄八丈を思い浮かべる方が多いと思うのですが、他にも沢山の有名な着物が生産された地です。
多摩織は現在の八王子にて生産されており、昔はクワの木が豊富に生えていたそう。
そのため蚕産業が盛んとなり、繭糸や生糸を豊富にとることができました。

tamaori (引用:東京の伝統工芸品「伝統工芸の紹介 多摩織」)

そんな多摩の地域では平安時代から絹織物が製作されており、着物の歴史ある土地となります。
多摩織の他にも、横山紬や滝山紬などが有名ですね。
多摩の地で絹織物の生産が盛んになったのは、室町時代のこと。
この地を訪れた北条氏が産業として地元の方にとすすめたことで、絹織物の生産地となりました。
時代が進むにつれ基盤が更に発展し、一大名産地となった多摩。
絹織物ですがシワになりにくく、非常に軽いものとなります。

多摩織りには非常に多くの製作方法があり、お召織と呼ばれる先練りの平織のものや、紬織や変り綴れなど、そのバリエーションも豊富です。
どうしてデザインが豊富なのかというと、絹糸の産地となった多摩には、沢山の種類の絹糸が容易に入手できました。
通常の本繭から紡がれる”本糸”、そして玉繭から紡がれる玉糸、そして糸にならない繭を真綿にし、紡いで糸の形となる紬糸も用意できる環境です。
その3種の糸を組み合わせて着物を織るために、バリエーションが多岐にわたるのです。


澤井榮一郎さんの多摩織には高い価値が!


多摩織で特に高い値段がつく着物といえば、やはり澤井榮一郎ではないでしょうか。
澤井榮一郎さんは多摩織を伝統工芸の指定を受けるまでに普及・成長させた方の一人で、伝統工芸士の認定も受けています。
しかし澤井榮一郎さんは気まぐれな作家さんで、気が向いたときに多摩織を織る程度だそう。
そのため数が少なく、高値で買取される傾向にあります。



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