「紬」っていったい何?

「紬」っていったい何?

2015年08月05日

着物はてな

前の記事では「大島紬」を取りあげました。
紬の中で最も有名なのはやはり大島紬かと思いますが、
他にも様々な種類の紬、例えば結城紬や牛首紬などがありますね。
さて、素朴な疑問ですが、そもそも「紬」とは一体なんなのでしょうか。


「紬」ってどんな着物?

tumugi2 (引用:ちぇらうなぼるた雑記帳)

紬とは、「紬糸」によって織られた、絹織物のことを指します。
なかには木綿で作られる大島紬もあるようです。
絹で織られた着物には絹特有の光沢がありますが、この紬糸で織られた紬の光沢は絹ほどはつやつやしておらず、
表面に小さな隆起が見られるのが特徴です。
生地が固めに出来ており、耐久性に優れた着物となっています。


tumugiito (引用:機織り職人の仕事場から…「紬糸」)

絹糸の製作過程で作られるものが、こちらの「紬糸」。
絹糸は繭玉から糸を引き出して作られますが、中には糸を引き出せない品質の繭もあります。
その繭玉をつぶすと真綿が出来、その真綿から作られる糸が「紬糸」なのです。


大島紬は少し特殊


しかし昭和から現在にかけて作られた本場大島紬は、呼ばれ方こそ「紬」ですが、
紬糸が使われているわけではなく、素材は正絹が100%使われています。
何故今でも「紬」という名称がついているのかというと、明治の中ごろまでは紬糸を使用していたから。
その名前が現在もそのまま使われている為、大島「紬」と呼ばれています。

大島紬に限らず、紬を織るのには非常に手間がかかります。
大きく分けても30もの工程を、ほとんど手作業にて作り上げなければなりません。
本場大島紬は国指定伝統的工芸品にも指定されており、世界でも高い評価を受けています。


参考サイト

  • 大島紬
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